2022年1月施行「改正電子帳簿保存法」で注意すべきポイント

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2022年1月施行「改正電子帳簿保存法」で注意すべきポイント

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    罰則規定とセットで要件緩和 ⇒ 企業の責任において適正処理が求められる

    1998年に施行されて以降、2015年、2020年と数次にわたる改正を経てきた電子帳簿保存法(以下、電帳法)ですが、2021年7月にさらに改正され来年(2022年1月)から施行となります。今回の改正では、紙の領収書などを電子化して保存する「スキャナ保存制度」対応について所轄税務署への事前申告が不要となり、ツールや社内ルールなど準備が整い次第、いつでも自由に開始できるようになりました。このほか改正で変更(緩和)された点は下記の通りです。

    1. 期限内に入力されていることがきちんと証明できる場合に限りタイムスタンプ付与が不要に
    2. 検索機能要件を取引年月日/取引金額/取引先名称に限定。ダウンロードして検索可能な場合は検索機能自体不要に
    3. スキャナ保存の入力期限が「概ね3営業日以内」から「最長約67日以内」に延長
    4. 社内規定を整備すれば、相互牽制(第三者によるチェック)/ 定期検査 / 改善 の3つの適正事務処理体制が不要に

    これを見て思わず「これなら、我が社もすぐに取りかかれる」と考える企業も多いのではないでしょうか。ですが、今回の改正では広範に及び要件が緩和された一方で、不適正な処理に対する罰則規定が設けられました。電帳法対応後の税務調査で何か問題が発見されると、その内容によっては最悪の場合、重加算税のペナルティを課せられる可能性もあり、むしろこれまでより慎重に取り組む必要があります。

    今回の改正で、本当にタイムスタンプが不要になったのか?

    タイムスタンプ不要なのは、時刻の正確性を担保できるSaaSの場合のみ

    前段で今回の電帳法改正のポイントをまとめましたが、2022年1月の施行を前に、企業の間で特に関心が高まっているのが、スキャナ保存制度におけるタイムスタンプの扱いです。果たしてタイムスタンプは本当に不要になったのでしょうか?先に結論を言ってしまうと『ケースバイケース』ということになります。

    そもそもタイムスタンプは、“ある時刻にその電子データが存在していたことと、それ以降改ざんされていないことを証明する技術”です。これと同じことをシステム側で担保できればタイムスタンプは不要ですが、たとえば利用している交通費・経費精算などのシステムが、『ある時刻にその電子データが存在していたこと+それ以降改ざんされていないこと』を証明できない場合は、引き続きタイムスタンプが必要です。

    もう少しシステムの形態に踏み込んで説明すると、オンプレミスやIaaSなど自社が管理するサーバで運用するシステムの場合、サーバの設定など変更が可能で改ざんの恐れがあるためタイムスタンプが必要です。では、事業者がサーバを運用しユーザはアンタッチャブルのSaaSであれば不要かというと、NTPサーバ同期などによってスキャンデータの保存時刻に関する正確性を証明でき、改ざんの可能性を排除しているシステムであればタイムスタンプは不要ですが、ユーザによる保存時刻修正が可能で正確性を証明できないものは、オンプレミスやIaaS同様タイムスタンプが必要です。

    改正電帳法施行後もあえてタイムスタンプを付与するという“現実的”選択肢も

    SaaSについてもわずかではありますが懸念があります。機器の故障など、インフラにトラブルなどが発生する可能性はゼロではなく、万一時刻データが失われた場合はどうするのか。また、利用しているSaaSがサービス終了した場合、別のSaaSに時刻データを引き継ぐことができるのかといった問題です。こうした状況に対し明確な解決策を用意できないのであれば、やはり時刻の正確性を担保できるSaaSの場合も、タイムスタンプを付与しておくのが安心&おすすめということになります。

    また、企業によってはSaaS導入(移行)が難しいケースもあります。一般的にSaaS製品はカスタマイズ対応しないものが多く、SaaSの機能にあわせて運用やルールを変更する必要がでてきます。もしそれが難しい場合は、引き続き比較的カスタマイズが容易なオンプレミスのシステム+タイムスタンプ付与という選択肢も依然として有効です。すでにこうした方法で電帳法対応をしている企業の場合も、今回の改正でタイムスタンプ廃止の可能性が出てきたからと言ってやみくもにSaaS移行する必要はありません。システム変更によるエンドユーザ(社員)のストレスを考えると、むしろそのままの方がよいケースも多いのではないでしょうか。

    無条件のペーパーレス化も危険、スキャン不備に対応する運用の工夫が必要

    電帳法改正の目的は、領収書だけでなく契約書や請求書など紙の証憑類の電子化により、管理業務を効率化し、社員の柔軟な働き方を実現することにあります。社員は領収書をその場でスマホ撮影して登録でき、会社で紙の書類を整え提出する必要がなくなります。また、管理する側も、過去の領収書をデータで検索・閲覧できるようになり、税務調査対応などの負担が大きく軽減され、紙の原本を保管するためのスペースや手間がなくなるなど、“ペーパーレス化”による様々なメリットが得られます。

    ただし、ペーパーレス化についても“しっかり準備をしたうえで”という但し書きがつきます。たとえば、スマホで撮影しシステムに登録した領収書を経理担当がチェックしたら、領収書の折れや曲がり、手ブレなどで読み取れない箇所が見つかったという場合、すでに領収書が廃棄されていると確認のしようがありません。このため、少なくとも支払い処理が終わるまで一定期間の領収書の保管を義務づけるなど、別途社内ルールを定める必要があります。タイムスタンプ廃止もペーパーレス化も、無条件に即時に可能というわけではないのでそれぞれ注意が必要です。

    電子取引や他システム連携を考慮し、“全体最適”でシステム選定を

    今回はスキャナ保存制度に注目し領収書の扱いに関する注意点をまとめましたが、改正電子帳簿保存法では契約書や請求書なども対象としています。これら電子取引については、事前の申請・稟議を経て決裁されるものも多くワークフローの仕組みも重要になってきます。またさらなる業務効率化を目指すうえでは、電子取引と他システムとの連携が欠かせず、システムの外部接続性も鍵となります。

    独自のルールで業務を回している中堅以上の企業の場合、個別最適で旅費交通費・経費精算に特化したSaaSを導入するのではなく、電子取引ニーズにも対応する強力なワークフロー機能や、他システム連携を含む柔軟なカスタマイズ対応など、周辺業務を含め“全体最適”を実現するシステムを選定することが重要です。

    こうした点も踏まえておすすめするのがワークフローシステム「ExchangeUSE」です。過去25年以上の長きにわたり旅費交通費・経費精算業務に携わってきた経験豊富なスタッフが、電帳法など法的な部分については税理士と連携しつつ、「本当に業務が回るか、効率化できるか」という視点で徹底的に議論を積み重ね、お客様に最適なシステムを提案します。領収書・請求書の電子化だけにとどまらず、ワークフローや他システムとの連携まで含めた“全体最適化”により、会社全体のDXを推進したいという方はぜひお気軽にご相談下さい。

    ExchangeUSE XGの特長

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