コラム

ワークフロー

ワークフロー導入による“業務効率化”の鍵を握るシステム連携をどう実現するか!?

ビジネスにつきものの申請・承認業務をスピードアップし、幅広い企業で導入が進むワークフロー。従来の、経費精算・稟議・勤怠管理といった定型業務から、プロジェクト管理などBPM的活用も増え、内部統制の観点からは今やなくてはならない存在となっています。一方で、ワークフローツールを導入したものの、“思っていたほどメリットが感じられない” 、“社員から使いづらいと不評”といった残念なケースもよく耳にします。
そこで今回は、ワークフローツール本来の導入目的(狙い)に立ち返りつつ、「何が原因でこうした残念な事態が起こるのか?」を考察してみたいと思います。

ワークフロー導入で企業が目指すのは“業務効率化”

少し古いデータですが、2014年2月にIT情報サイト「キーマンズネット」が会員を対象に最も重視するワークフローツール導入の目的を聞いたところ、「業務の効率化(31.7%)」がトップで、次に「文書の電子化・ペーパーレス化(25.4%)」、「手続きの迅速化(14.1%)」が続き、総論としては“効率化”が上位を占める結果となりました。

ワークフローツール:導入目的図

※キーマンズネット「IT担当者300人に聞きました ワークフローツールの利用状況(2014年)」より引用

ワークフローを何に使っているのかについても併せて聞いていますが、こちらは昔からの「経費・旅費精算管理」、「稟議書類管理」、「勤怠管理」といった3大用途に加え、「受発注管理」や「プロジェクトの進捗管理」「顧客管理」などに拡がっており、いずれも業務効率化で売上拡大を目指す企業ニーズがうかがえます。

ワークフローツール:利用方法図

※キーマンズネット「IT担当者300人に聞きました ワークフローツールの利用状況(2014年)」より引用

効率化達成のカギを握るシステム連携

一方、導入済みと回答した企業に、ワークフローツールを導入した際の重視ポイントを聞いた設問では、「コスト(66.2%)」、「操作性(49.3%)」、「安定性・可用性(44.1%)」に続き、「他システムとの親和性」が25%で第4位となっています。あらゆるシステムで基本的要件といえる「コスト」、「操作性」、「安定性・可用性」の上位3つに対し、ワークフロー導入の本体の目的である“業務効率化”につながるポイントとして、「他システムとの親和性」が4位に位置しているわけです。実は、冒頭で紹介した“ワークフロー導入後の残念な事態”が生じる原因は、こうした“理想(本来の目的)”と“現実(実際に重視する要件)”のアンマッチにあります。実際多くの企業で、第1段落でも触れた通り経費精算や勤怠管理、物品購入、受発注、顧客管理など様々な領域・用途でワークフローが導入されており、こうしたシステムと周辺の他システムとのスムーズな連携は、ワークフローツール導入により業務効率化を目指す上で不可避といえるでしょう。

ワークフローツール:重視ポイント図

※キーマンズネット「IT担当者300人に聞きました ワークフローツールの利用状況(2014年)」より引用

ワークフロー“入口”でのシステム連携が課題に

他システムとの連携をワークフロー中心に考える場合、他システムのデータを元にワークフローを起票する“入口”と、ワークフローで最終承認されたものを次のシステムに受け渡す“出口”の2つが考えられます。たとえば“出口”での連携は、ワークフローで承認された経費精算について、経理システムに回して科目仕分けする…といったケースですが、この場合は、ユーザ工数を介さずデータレコードを経理システムに渡し、自動的に処理するだけです。問題は、他システムとワークフローの間にIF(interface=入力画面)が介在し、それにともなうユーザ工数が発生する“入口”の連携です。

ワークフローシステム連携図

※キーマンズネット「IT担当者300人に聞きました ワークフローツールの利用状況(2014年)」より引用

システム連携3つの方法

ワークフロー導入で目指す業務効率化の効果を最大化しようとするならば、第3段落で触れた“入口”のシステム連携をスムーズ&シンプルにする必要があります。当然、各社がリリースしているワークフローツールは、システム連係のための工夫がなされています。その方法は“どこまでユーザフレンドリーにするか”で、下記の3つの段階に分かれているといえます。

1.最小限の手間でシンプルに連携

最小限の手間でシンプルに連携図

別システム側で案件情報(CSV、XMLファイル)を作成し、ワークフローの取り込みフォルダに格納します。あとはワークフロー側のサービスが定期的に動作し、フォルダ内の案件情報ファイルを読み込んで申請書フォーマットに貼り付ける形で自動的にワークフローに乗せる仕組みです。承認はワークフローにログインする必要がありますが、別システムの改修が不要で最も簡単に実現できる連携方法です。

2.親和性を重視し申請インタフェースを開発

親和性を重視し申請インタフェースを開発図

別システム上に起票画面を独自開発し、申請まで別システムの画面上でできるようにする方法です。申請書の起票画面からワークフローの宛先確認画面を呼び出し、案件を提出します。ユーザは、別システムに入力した情報を元に起票画面までシームレスに操作できますが、提出処理を行うための画面の開発が必要になります。

3.Webインタフェースをフル開発(プロフェッショナル向け)

Webインタフェースをフル開発図

ワークフロー側で用意した連携のためのAPIを利用して、別システム上に、ユーザ企業固有のワークフロー機能すべて(システム操作/案件操作/案件照会など)をもつWebサービスを構築する方法です。ユーザは別システムの画面で申請から承認までワークフロー全体を操作・確認でき、最も“ユーザフレンドリー”な連携方法といえます。ただし、開発コストは3つの中で最もかかります。

システム連携で業務効率化を追求するなら…

上記紹介した3つの連携方法について、コストとユーザフレンドリー度をまとめると下表のようになります。

コストとユーザフレンドリー度

連携するシステムがデータ出力機能を搭載しているパッケージの場合、ファイル連携での実現が容易でコストを考えても妥当性が高く、逆に、完全にスクラッチ開発のシステムは、SIをともなう申請インタフェースの開発あるいはWebインタフェースのフル開発が妥当だといえます。また、Suica連携やコーポレートクレジットカードの経費精算といった単純な連携なら、ファイル連携で十分…という判断になるでしょう。
一方、ワークフローツール(パッケージ製品)の方を見ると、ほとんどの製品がシステム連携可能を謳っていますが、実際には3つの内1つの方法に対応しているだけで、ほかの方法には対応していないケースが多いようです。したがって、業務効率化を目的としてワークフローを導入するなら、連携対象となるシステムを洗い出し、どのような連携方法がふさわしいのかを検討。その方法に対応したワークフローツールを選定する必要があります。

様々な業務へのワークフロー導入が進みシステム連携ニーズが拡大する今、目先のニーズへの対応だけでなく、将来の連携拡大にも柔軟に対応し得る製品を選択することこそが、ワークフロー導入による効果最大化のポイントと言えます。

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